Professional*eyes

第一線で活躍している方に今感じていること、思考していること
などなどをインタビュー形式でお話いただくコーナーです。

第4回 本当に大切なもの

杉浦幸子さん

石井 小島ゼミでは、4回生が
   JR大阪三越伊勢丹の地下1階アクセサリー売り場・解放区で
   8月1日から1ヶ月間。3回生が、8月5日から2週間中目黒のジィオデシックで
   展示販売しているんですが、そういう活動についてどう思われますか?

杉浦 それは凄く良い教育活動だと思います。
   ジュエリーって、作るだけでなくって、売って
   その後何年も何年も身に着けてもらって
   初めて価値が出るモノだと思うんです。
   一方で、手先が器用な子が就職できなかったり、結婚して専業主婦になったら
   自宅でジュエリーでも作れば良い。みたいにジュエリーを安易に考える人も
   いるようです。でも私はジュエリーはそういうものではなく
   何世代も受け継がれる、特別なモノだと思います。

石井 実際、現場ではかなり評判が高いんです。
   新宿伊勢丹のバイヤーにも情報は届いていて学生でも結構やるなと。

杉浦 それは素晴らしい。

森下 祐二さんはこの大学でジュエリーを教えるというより
   どうやら哲学を教えているみたいなんです。
   気づき?に気づけ、みたいな。
   私はまったくの現場です。現場仕事、明日から働けるぞ!みたいな。

杉浦 そのどちらもが必要だと思います。
   女の子が結婚して、家でできるからジュエリーでも作っちゃおうっていうのは少し違うと思うんです。
   私が魅力を感じるジュエリーは、クリエーターの思想哲学みたいなものが感じられるジュエリーです。

森下  確かに、今人気のあるクリエーターは自分の考え方を見せるのがとても上手です。
そのジュエリー、ビジューだけを見せるのではなく、背景、スタイル
そんなものまで伝わる様な演出迄も出来る。

杉浦 日本の中でのジュエリーのステータスと、
   海外でのジュエリーのステータスの違いがあるように感じます。
   日本ではジュエリーは専門学校で教えると思われがちですが
   海外の大学では、正規のカリキュラムでジュエリーを教えています。
   専門学校と大学が違うのは、思想哲学、そういうところまで教える
   そういうところまで踏み込んだ表現を出来るようにする。そうしたところにあるように思います。

石井 杉浦さんご自身がこの大学の中で
   これから、こんなことをやっていきたいなという事を教えてくださいますか?

杉浦 京都造形芸大は、いろいろな可能性がある場所だと思っています。
   また大学だけでなく、京都という場所にも可能性があると思います。
   いろいろな美大がありますが、この大学の風通しの良さ
   新しい事へチャレンジする意欲は抜きん出てると思います。
   来年予定している東北芸工大との合併などを通して、これからは日本の芸大でなく
   世界の芸大へとシフトチェンジしていくだろうと思います。
   そうした動きの中で、自分を役立てたいと思っています。
   大学と学生をどんどん世界に繋いでいきたいと思います。

森下 まさに!

石井 海外で京都造形芸大の卒業生が活躍しているっていうのが良いですね。

杉浦 これからはもっとそうなると思うんです。フランスでとか、メキシコで、とか。
   勿論、日本でも良いんですが、世界から日本を選んでほしいと思います。
   野望を持って(笑)小島先生が入られると、また違った見解もあるかと思うんですが
   今日はこんなところです。

石井 今日は沢山の貴重なお話を聞かせて下さって、長い時間ありがとうございました!

杉浦 こちらこそ、ありがとうございました!

森下 ありがとうございました!また美味しいもの一緒に食べに行きましょう!

おしまい

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