Professional*eyes

第一線で活躍している方に今感じていること、思考していること
などなどをインタビュー形式でお話いただくコーナーです。

第3回 パリでのビジネス

石井 展示会のあとはどうなったんですか?

鈴木 お店に売りに行ったんですよね。

森下 展示会も良いんだけど、自分の好きなお店に買ってもらいたいと思って,
   サンプルを持って店のドアを叩いて、最初に行ったのが、当時、一番好きだったお店。
   だけど、はじめの店は1個づつしか買ってくれなかったの。
   で、パリの人たちに現地事情を聞いて。

鈴木 いろんな友人に聞いて、これは取引はやめた方が良いと思って。
   そしたら、偶然、エチエンヌマルセルにそっくりの店があるのを見つけて、
   すぐにまゆりさんに連絡して、営業に行く事になったの。
   気にいってくれたけど、売れるかどうか分からないから一週間預からせてくれって。

石井 そうだったんですか。

鈴木 それですぐに売れて、取引が始まったんでしたよね。

森下 そのあと、私が帰国しちゃって、オーナーのクリスティアンが
   「このあと、どうやって買ったら良いのか?」ってタカアキ君に詰め寄って。

鈴木 まゆりさんは日本にいるから
   日本に行くしか無い・・・って、しばらく困ってて。

森下 来てくれたときは、あまりに突然で、しかもその頃、ものすごく忙しくって
   誰もお相手出来なかったし、完成品のサンプルさえなく・・・
   それでも彼はひとりで、石のついていない、まだ仕上がっていない指輪の枠を手に持って
   しかもでっかい指で指の半分くらいしか入ってないので、
   「大丈夫?」って私が心配すると、「知ってるから問題無い。自分はプロだから」って。

石井 すごいですね。

鈴木 彼はエッフェルリングの名付け親で、売ったよね〜。
   エッフェルばっかりどれだけ売ったんだろう!エッフェル!エッフェル!って。

森下 もう今は無くなって大好きなお店のひとつのアブサントにも営業に行って
   オーナーのマルトにもとても気にいってもらって。

石井 それで雑誌にも載ったり、パリのビジネスは結構続いたんですか?

鈴木 パリは不景気で、アブサントが店を閉めたり、クリスティアンが亡くなったりして。

森下 そして、奇遇にもスリスティアンの店を買ったのが、今のSAIKI。
   で、同じ場所で継続している・・・不思議だな〜。

石井 不思議ですね。

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